Shousetu Nihonshoki 6 Yamatanooroti Douzoku... (Book published

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Book Details

Author  Handeun
Publisher 
Publication Date   October 31, 2017
ISBN 
Pages  87

Description

小説日本書紀 6 八岐大蛇 銅族ヤマタノオロチは鉄族スサノオに負けた
 目次
序言 ヤマタノオロチは砂鉄業者ではなく産銅種族
ヤマタノオロチ条 大要
敗者の剣が神宝ということは征服された地であるということ?
高天原は伽耶山(牛頭山)周辺の伽耶諸国
伽耶諸国の一国・安羅国は産鉄王国
安来節のドジョウすくいは砂鉄のザルすくい
根の国=出雲は忌むべき地というのだが???
ヤマタノオロチはスサノオ以前に渡来した8人の王?
伽耶(牛頭)山麓の白雲地域は産鉄地域
スサノオがヤマタノオロチを斬った剣はハハ(銅)キリ剣
ヤマタノオロチは銅文化の部族
日本の歴史学は記・紀記述の追認・美化作業
「スサノオは辰韓の主なり」の辰韓は伽耶諸国
新井白石は倭国の由来を馬韓に求める
鳥上山(鳥髪峯)の産鉄はスサノオ以後のこと
鉄にからむ奥出雲のヤマタノオロチの伝承地
オロチ退治の皮=肥の川(斐伊川)は血の川
『出雲国風土記』にはヤマタノオロチ伝説の記述がない
スサノオの布都御魂(十握剣)を所有したのはニギハヤヒ(饒速日)
丹後半島北部の遠下(おんげ)は金属精錬と関係がある地名
鉄剣のスサノオは銅剣のヤマタノオロチに勝利した
ヤマタノオロチは変身して八剣神社に祀られた?
スサノオの十握剣は石上神宮の禁足地に埋祀されたという伝承
草薙剣は征服の証しとして高天原(伽耶)に献上された
草薙剣は狗邪韓国(駕洛国)の建国王の剣
クシナダヒメ(奇稲田姫)のクシ(奇)は韓語のクッ(巫)
日御碕神社に伝わる神剣(天叢雲剣)奉天神事
「八雲立つ」の歌は新婚歌ではなくワイ族討伐の戦勝歌
ヤマタノオロチ(八岐大蛇)は「穢族の野郎どもの親分」という意味
倭はオルドス地方、揚子江南方、韓半島南部などにあった
倭=穢=八=夜という等式
『三国史記』では倭人・倭兵・倭国・倭王などと指称
倭は後漢王朝を攻めない種族という意味
根の国は倭の国(根=泥=穢=倭)
文身(入墨)する種族は南方系だけか?
結語 草薙剣の献上は征服したことの報告

序言 ヤマタノオロチは砂鉄業者ではなく産銅種族
 ヤマタノオロチ(八岐大蛇)は、各地の神楽で演じられる人気メニューなんじゃが、その巨大な蛇体が、怪獣好みとあいまって好奇心をあおるのかのお。それはそれで面白のじゃが、さて、ヤマタノオロチの実体となるとはなはだ曖昧なのじゃ。
 『古事記』や『日本書紀』に記されているように、ヤマタノオロチが乙女を要求したと、本当にそう思う人がいたとすれば、実に純真といっていいのか、どういっていいのか、言葉を失ってしまうのじゃ。ヤマタノオロチが酒を飲んだということも同様じゃ。
 スサノオが、ヤマタノオロチを切り殺し、尾から剣は出てきたというのも不思議なことじゃ。その不思議を史実と受け止め、信じ込んでいる人がいるとすれば、これまた何をかいわんや、というほかないのお。
 そいうお前は、ロマンもない、夢もない、面白くないヤツじゃのお、というなら、甘んじて受け入れるしかないのお。確かに、ワイはくそ真面目で、面白くないやつかもしれんのお。じゃからこそ、ヤマタノオロチ伝説も、理性的にまじめに考えたいのじゃ。それが、真実への道、真理の探究につながると思うからじゃ。
 で、いろいろな書を読み、私なりに解釈を試みたんじゃ。すると、とんでもない結論になってしまったんじゃよ。で、小説日本書紀シリーズ第6巻は、「銅族ヤマタノオロチは鉄族スサノオに負けた」というタイトルになったのじゃ。「ヤマタノオロチは砂鉄業者」という通説に異を唱えたいのじゃ。
 さらには、ヤマタノオロチは、8人の親分というのが通説じゃが、そうではなく、「穢族の野郎どもの親分」というのが、ワイの結論なんじゃ。それにもう一つ、その当時の大和朝廷は幻、ということじゃ。
 詳細は、本文をご一読あれ。なお、底本は、宇治谷猛現代訳『日本書紀』なんじゃ。  2017年10月  ハンデウン
 ・・・高天原(伽耶山周辺)から追放されたスサノオは、出雲国の皮の川(斐伊川)に漂着したというんじゃ。その斐伊川で、老夫婦と娘の困窮を助けるために、ヤマタノオロチを退治するというストーリーなんじゃが、実際問題として、頭が八つ、尾が八つあるという怪獣は、古今東西、どこを探してもないじゃろ。恐竜時代でさえ、そのような怪獣が生存していたなど寡聞にして知らない話じゃ。それに、クシナダヒメを爪櫛に変えて、頭髪に差し込むということなどもありえない話じゃ。
 それを、神代のこと、神さまの不可思議な行為と容認するのは、実にバカげた話じゃ。良識ある一個の人間として、とても承服できない事象じゃ。夢もロマンもない面白くない奴だと嘲笑されても、承服できないものは承服できないんじゃ。
 とまれ、スサノオは、正面から正々堂々と戦わずして、ヤマタノオロチに酒を飲ませ、酔っぱらったところを、ズタズタに斬り殺してしまったのじゃ。ヤマタノオロチをだまし討ちにしたわけで、実に卑怯な手を使った斬殺と言ってもいいじゃろ。

敗者の剣が神宝ということは征服された地であるということ?
 ヤマタノオロチの尾から、剣が出てきたというのも、人をバカにした話じゃ。人間が釘を飲み込んだら大変な騒ぎになるのに、蛇が剣を丸呑みして消化もされずの尾にあったなど、あるべき話じゃないんじゃ。
 スサノオは、その不思議な剣を天つ神に献上したんじゃよ。天つ神は高天原にいる神さまじゃから、スサノオは自分の故国である高天原の大王に献上したということになるようじゃが、その大王がアマテラス(天照大神)に設定されているのじゃ。
 アマテラスは、その剣を、ニニギ(瓊瓊杵尊)に下賜して、倭地に降臨させたということになるんじゃが、以来、その剣は、三種の神器の一つとして、朝廷に継承されるということになるのじゃ。
 ここで、不思議に思うことはじゃ、スサノオが倭地の征服者であり、建国王のような存在であるにもかかわらず、どうして、敗者から出てきた剣が、その後の倭地の征服者の神宝になるのかのお。スサノオの十握剣こそが神宝になってしかるべきじゃと思うんじゃがな。敗者の剣が神宝になるということは、その地が征服された地であるということを示したいためからかのお。征服したのはもちろんスサノオじゃから、新羅の国に征服されたということじゃろ
 スサノオは、クシナダヒメと結婚し、「八重垣」の歌を詠んだということじゃが、スサノオにはすでにイタケルという子がいて、一緒に新羅に滞留していたはずじゃから、クシナダヒメは現地妻ということになるのかのお。
 こうしたスサノオのヤマタノオロチ退治伝説に六つほどの異伝があるんじゃが、異伝にはアシナヅチとテナヅチの困窮が言及されていないんじゃ。意図的に省略されておるんかのお。また、スサノオは、皮の川ではなく、江の川に漂着したというんじゃよ。また、不思議な剣を献上したのは、スサノオの5代孫アマノフキネじゃというんじゃ。1代30年とすれば、150年後ということになるのお。イタケルが樹木の種を蒔いたという話が加上されているのもあるのお。
 さて、斐伊川は出雲を貫流して宍道湖に入る大河で、出雲文化をはぐくんだ川といってよいじゃろ。スサノオは、その河口で、乙女を中にして泣いている老夫婦を見るんじゃが、『古事記』では、箸が流れてきたので、上流に人が住んでいると思い、斐伊川を遡ったのじゃ。その地は、現在の島根県仁多郡奥出雲町三成(みなり)あたりに比定されておるのじゃが、老夫婦が娘を中にして悲しく泣いているので、理由を聞くと、ヤマタノオロチに娘を奪われるからじゃという筋書きじゃ。
 出雲町三成の近くに出雲町稲原稲田という地があって、斐伊川の源と見られる大呂から流れてきている細流があるんじゃが、スサノオが箸を見つけたのは、この稲田の地という見方もあるんじゃ。クシナダヒメ(奇稲田姫)という名と由縁があるからじゃ。

結語 ヤマタノオロチは穢族の野郎どもの親分
 この書では、ヤマタノオロチの実体がどのようなものであるかを徹底追及してみたのじゃ。その結果は、三つの新発見があったんじゃよ。ワイながら、満足のいく結果だと自負しておるんじゃが、読者諸賢においては、何を馬鹿なことを言ってるのかと、お叱りを受けるかもしれんのお。
 じゃが、あえて、その新発見を披露したいのじゃ。いまだかって、その新発見に言及した書を見かけていないから、新発見と言ってもいいじゃろ。
 その一は、ヤマタノオロチは、銅器(銅文化)を駆使する穢族の頭領、親分であるという結論をえたのじゃ。ワイながら驚天動地の結論じゃった。そうした結論を導き出せたのは、畑井弘著『新版物部氏の伝承』に見える内容で、スサノオがヤマタノオロチを退治した十握剣が「天津羽羽斬(ははきり)剣」と呼ばれる剣で、「ハハ」は「カゴ(銅)」と同義という解釈じゃったのじゃ。
 つまり、スサノオの剣は、銅剣を斬ったということなんじゃ。ということは、スサノオは鉄剣を持つ種族であり、ヤマタノオロチは銅剣を持つ種族じゃったということじゃ。鉄が銅に勝ったということじゃ。
 その二は、「八雲立つ」の歌を韓語で解釈した李寧熙の説じゃ。「八雲立つ」はロマンスの歌ではなく、戦勝の歌じゃということじゃ。ヤマタノオロチは、穢族で、貊族のスサノオに負けたということじゃ。